ライター 箭本 進一さんの評価レビュー

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劇場版でもgdgdと

観賞手段:ビデオ/DVD、劇場
ピクピク、シルシル、コロコロたち3人の妖精たちがgdgd(グダグダ)と過ごすCGアニメが劇場版になった。番組の中に様々なコーナーが設けられた、深夜ラジオを思わせる内容はTV版と同様だが、劇場版はもう少しストーリー寄り。アイドルであるでんぱ組.incのメンバー4人が新キャラクターとして登場し、3人の妖精たちとトーク芸を展開する。
シリーズの特徴は、コーナーを通して声優たちの素が見え隠れするところにある。コーナーの内容は「妖精たちが魔法で様々な品を呼びだし、奇想天外な遊びする」「用意されたシュールなキャラクターやシチュエーションに対し、即興でアフレコを行う」など様々。誰がどんなリアクションをするかは全てアドリブであるようで、アフレコの順番を譲り合ったり、思ってもみなかった回答に思わず笑ってしまったりと、随所で中の人の素が漏れ出てしまう。妖精と中の人を行き来している様がそのまま中継されているようなもので、そこには独特のスリルと、舞台上で出すべきではない素の部分を目撃した連帯感・共犯者感がある。こうした面白さは、でんぱ組.incの登場でより強調された感がある。プロ声優ではないアイドル4人がワイワイしつつステージ向きの顔と素の部分を行き来するわけで、そうした意味でアイドルの起用は的を射た采配といえる。シリーズの映像制作にはMMDを始めとした3Dツールが用いられている。CGの女の子たちがキャラクターと素の狭間でトークするのを楽しみつつ、前述したスリルと共犯者感を楽しむという図式には、現在のバーチャルYouTuberの配信に近いものがあり、そうした意味では時代を少し先取りした作品といえるだろう。TVシリーズと本作を見終えた後は「直球表題ロボットアニメ」「gdメン」「てさぐれ!部活もの」といった関連作を履修するのもオススメ。
プロレビュアー
ライター 箭本 進一
ライター 箭本 進一
ストーリー
3.0
作画
4.0
キャラクター
4.0
音楽
4.0
オリジナリティ
4.5
演出
4.0
声優
4.5
4.5
満足度 4.5
いいね(0) 2023-10-31 13:04:57

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