原作はプレイしたことがないのですが、グリザイアの果実は数あるエロゲー・ギャルゲーのアニメ化の中ではかなり良い方だと思います。
しかし、1本のアニメとして見た時に、前半の魅力がやや少ない。
実際、自分が一番楽しめたのは周防天音の過去の回想シーンが描かれた終盤の数話でした。
また、作品としての柱となるストーリーラインが弱く、何を伝えたいのか曖昧で、最後まで見てもカタルシスをあまり感じませんでした。
これはこのタイプのゲームでは各ヒロインのルートを攻略するという形を取っているので、それをアニメにした時に生じる不都合が原因なのかもしれません。
キャラクターにそれほど愛着がわく前に、あれよあれよとストーリーが進んでいきます。
日常的なシーンはシナリオライターの個性が出やすい分、好みが別れるところで、個人的にはグリザイアの果実の日常シーンはあまり好きではなかったです。
各エピソードではかなり大仰なことをしているのですが、あまり強い印象が残らなかったのは残念です。
本作はTVアニメでは珍しく、ビスタサイズではなく、シネマスコープサイズというのも特徴です。大きなテレビで見るならシネマスコープサイズは意外と良いかもしれません。
映像的には全体的に高いクオリティのアニメですが、キャラクターの肌のハイライトがたまにやりすぎていて蝋人形のように見えることがあります。
「グリザイアの迷宮」と「グリザイアの楽園」のアニメ化も決まったみたいですが、次回作でエピソードを重ねていくほど良くなっていくのではないかという気がします。
[2015-01-04 00:08:14]