あにめい太さんの評価レビュー

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ものすごくリアルな戦闘(戦争)シーンが印象に残る佳作

観賞手段:テレビ
ネタバレ
本作は、メカなどの雰囲気からして、20世紀初め頃の飛行機文化をモチーフにした、基本的には飛行機ヤローのお話だと言っていい。全体的にはファンタジーの世界なのだが、メカなどはかなりリアルに描きこまれており、「飛空機」のコンセプトもなかなかいいと思う。

前半は、ファンタジー的な要素の強い「イスラ」を舞台にした、学園ものという雰囲気が強いが、中盤以降、ストーリーがぐいぐいと視聴者を引っ張っていく。突然起こる戦争と、そこに巻き込まれていく飛空士学校の生徒達の姿が、異様にリアルに描かれる。敵である「空の一族」との戦力差は明らか。第二次大戦の戦闘機と、第一次大戦の飛行機くらいの装備の違いがあるという絶望的な状況の中、生徒達はまさに必死で戦う。そのリアリティは、そんじょそこらのアニメの比ではない。死人もたくさん出る。ここまでリアルに戦争を描ききっているアニメは滅多にないだろう。それだけでもこの作品は高く評価できる。

惜しむらくは、全体のプロットがやや抽象的すぎて、そもそもの旅の目的や、最終回で語られる結末などが、どうにも腑に落ちなかったこと。ラノベ原作なので、そのあたりは原作を読めば理解できるのだろうが、ここまでクオリティの高い作品であるからこそ、最後はしっかりと締めてほしかった。残念ながら、主題歌もこの作品には少し軽すぎて、ミスマッチと思う。それと、戦闘シーンは凄いのだが、キャラクターの作画レベルが若干まちまちな部分があったのもやや気になった(致命的というレベルではない)。

いろんな意味ですごくいい部分の多かった作品だと思う。惜しい!
あにめい太
あにめい太
ストーリー
4.5
作画
4.5
キャラクター
4.0
音楽
4.0
オリジナリティ
4.5
演出
5.0
声優
4.5
3.5
満足度 4.5
いいね(0) 2014-04-02 20:57:03

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