正しく安彦氏の真骨頂 #THE_ORIGIN
観賞手段:試写会、劇場
一年戦争開戦前日譚の中でも大きな山場である、「暁の蜂起」事件。漫画家としては歴史者を多数手がけ、また本人自身もかつて学生運動の渦中にいた経緯もあり、原作の中でも正しく安彦氏にとって真骨頂のパートの映像化である。面白くないわけがない。
そしてまた、本作のもう一人の主役はザビ家御曹司のガルマである。ガンダム本編では育ちの良さによる甘さもありながら貴公子然とした振る舞いを見せていた彼も、シャアに焚き付けられながらの成長だった事が伺える隙だらけの若さを見せ、柿原氏の演技もまた未熟だったガルマ像を好演していた。
本シリーズの特徴として、一年戦争に対して時系列順にたどっていると言う事もあり、実に大河ドラマ的である。ファーストガンダム本編と同じ一年戦争を扱いながらも、異なる切り口から描くことがアニメの架空歴史に対して可能であり、それは作品としてクリエイトとしても商品としてビジネスとしても成立し得る事を示した貴重例と思う。玩具の宣伝フィルムであったロボットアニメがここまでたどり着いた事を思うと、実に感慨深いシリーズである。
- ストーリー
- 5.0
- 作画
- 5.0
- キャラクター
- 5.0
- 音楽
- 5.0
- オリジナリティ
- 5.0
- 演出
- 5.0
- 声優
- 5.0
- 歌
- 5.0
満足度
4.5
いいね(0)
2016-05-29 08:25:59