大ヒットした原作コミックに対して、アニメ版ではどれくらいあの雰囲気を出せるのか、というところが、どうしても評価のポイントになってしまうのが、この手の作品の辛いところ。でも、本作に関しては、原作コミックをただ真似するのではなくて、新たなアニメシリーズとしてきちんと作っている感じがして、好感が持てる。
話が話なので、全体的にはかなり陰惨なシーンが多く、キャラクターデザインも、何となく冴えない感じなのだが、観ているうちに違和感がなくなっていることに気付く。平野綾のミギーもどうかと思ったが、これはこれですごくいい。何か新たな世界を切り開いたんじゃないだろうか。
圧巻だったのは、1期中盤の第6話で、主人公の新一が母親を殺された後に、強く変貌するところ。このあたりからストーリーにグッと引き込まれるようになりました。常に死と隣り合わせのスリル、理解し合える者のいない孤独感、新一の成長、いろいろな角度から物語を見ることができます。
意外なほどに良作です。
(追記)
最終回まで観ました。
後半の1クールは、激化していく人間と寄生獣達のバトルが、かなりすごかったです。やや残忍なシーンも出てきますが、これをそのまま描いたのは立派だと思います。最後の数回については、もう圧巻という感じで、主人公の新一の成長を感じられます。そして、最終回。いろいろ考えさせられる展開でした。でも、大きな試練を超えて、人間的に成長した新一の姿がまぶしかった。
というわけで、かなりいいアニメだったと思います。